国債とは・・国債は発行された後、どうなるのか?
国債は国が予算を執行する時、財源が税収だけでは足りない時、その不足分を民間の銀行から借入れするために発行するものです。
つまり国債を発行して現金を調達して不足分の予算の支出に充てるのです。
分かりやすく言うと国の借金という事です。
近年、日本の1年間の国家予算は大きく膨らむ傾向があり、税収だけではまかないきれません。
不足金額は国債を発行して補っています。
その国債残高は年々増加して令和3年現在で1000兆円を超えていると言われています。
つまり発行されて償還されてない国債が、まだこれだけあると言う事です。
この金額だけを聞くと国の財政は大変な状況だと思うかもしれません。
借金が年々増加している事は返済の目処が一向についていないと言う事です。
このようになる原因は様々ありますが、分かりやすくいうと税収が少ないのが原因の1つです。
この財政状況を家計で例えると、借金を返済する為に一生懸命働いてお金を稼いで1日も早く借金を返済しなければいけません。
しかし、国債の場合、国民が一生懸命働いて税収を上げて、そこから返済しなければいけない訳ではありません。
なぜなら、国債は国の借金ですが、国民の借金ではないからです。
そして国の借金と家計の借金は根本的に違います。
それは、国は自分でお金を作る事が出来るからです。
正確にいうと、国の子会社である日本銀行はお金を作る事が出来ます。
この日本銀行にお金を発行してもらって民間の銀行から国債を買い取る事で事実上国債の役目は終わってしまうのです。
なので後日、税収で国債という国の借金を返済する必要は無いのです。
国の借金(国債)の流れ
国は国債を発行して、その国債を民間銀行に買い取って貰います。
国は民間銀行に国債を買ってもらって、お金を調達して予算に使います。
国債を買った民間銀行はその国債を個人投資家に売り出す事も出来ます。
また、自ら国債を持ち続けて償還期日がきたら国に貸したお金を返してもらう事も出来ます。
国債は一種の金融商品なので、一定期間市場で取引されて持ち主が変わるかもしれません。
しかし、最終的には国からお金を返して貰って償還する事になります。
国が国債を償還する時、代表的に以下のような方法があります。
国債の持ち主に国が直接お金を返して償還する方法です。
しかし、そもそも国はお金が無くて国債を発行したはずです。
そしてその国債残高も年々増加しています。
財政が苦しい状態で、国が国債を償還するお金はどこからくるのでしょうか?
答えは簡単です。
再び国債を発行してお金を調達するのです。
つまり借金を返すお金を、また借金をして、調達するのです。
サラ金などで借金をした人が返済に困って、返済するお金を、別の金融機関から再び借金して返済にあてる、という話しは聞いたことがあると思います。
これを自転車操業と言いますが、一般人がこのような状態になってしまうと借金が芋ずる式に増えて手に負えなくなります。
この状態で全ての借金を完全に返済する事は難しいので、ほとんどの人が債務整理や破産宣告を受けて借金を清算します。
一般の人の場合はこの方法で借金の問題を解決します。
しかし国は債務整理をする必要もなければ、破産宣告を受ける必要もありません。
なぜなら、国の子会社である日銀がお金を発行出来るからです。
国は借り換えの為に国債を発行して、その国債を民間の銀行に買って貰います。
民間の銀行は再び国債を引き受けたことになりましたが、この国債は最終的には、日本銀行が買ってくれます。
そして国は日本銀行に国債のお金を返す事になります。
返すお金はまた国債を発行して返すのですが、一般人の借金と国の借金が大きく違うのはここからです。
そもそも日本銀行が国債を買うお金はどこからくるのでしょうか?
答えは、、どこからもきません。
日本銀行は自分達でお金を発行して買います。
お金を発行出来る唯一の権限を持っているのが日本銀行です。
日本銀行は無から有を作る事が出来る唯一の機関なのです。
なので日本銀行が国債を買ってくれれば国債が償還された事と、ほとんど同じ事になります。
民間の銀行は国に貸したお金を返してもらえるので特に問題はありません。
国債は借り換えを続けて、償還期日がきたものから返済されます。
つまり、このような同じ作業を繰り返して国債は償還されていきます。
この過程で税収を使って返済するという工程は含まれていないのが分かると思います。
これが、国債は税収で返す必要がない、と言う理由です。
もちろん税収が多くて返せる時は、税収で返してもよいです。
反対に不景気などで税収が少ない場合はこのようにして国債を返していきます。
国債残高はあまり意味がない
国債が償還されていく流れを見ると、国債を借り換えで返している時期は国債残高は増えてく傾向があります。
つまり借り換えの為に発行する国債とは別に、予算の不足分を補う為に発行する国債があれば、国債残高は増えます。
近年の日本は、新規に発行する国債が必ずある状況が続いているので年々国債残高は増えています。
しかし、今までの説明を理解していただければ、国債が返せなくなるという事態は起こらないと分かると思います。
債務不履行になることはないので、国が財政破綻する事はありません。
ニュースなどでは、国の財政が苦しいので日本はいつか財政破綻してしまうのではないか、と報道されますが、そのような事はおこりません。
国の借金と民間企業や家計がする借金は根本的に違うので、国がいくら借金しても返せなくなるという事はありません。
なので、国債残高とか毎年の国の借金の額を気にするのは、あまり意味がないと言えます。
そもそも国債は国の借金で国民の借金ではありません。
国民が国債の額を心配する必要は全くありません。
また、国債の額が経済に与える影響はそれほど大きくありません。
景気の良し悪しは、その時の政府の経済政策や世界情勢で決まってくるので、国民感情や国民の努力ではどうする事も出来ないものだと考えてよいと思います。
むしろ、国債がどんなに増えても国が破綻する事はないと考え、余計な心配はしない方が良いと思います。
必要なものにはしっかりお金を使って消費して健全に経済を回していく方が景気にはよいかもしれません。