個人事業主・フリーランスに法律知識は不可欠!

近年、個人事業主やフリーランスでお仕事をされる方が増えています。

ネット環境の整備の影響もあり自宅などで個人委託で商売をする事が以前に比べてやりやすくなってきています。

商売の自由は個人の権利なので、気軽に商売が出来る環境が整ってきたのは良いことだと思います。

インターネットで簡単に様々な情報を入手できるので、純粋なネットビジネスはもちろん、間接的にネットを利用する事で個人で商売をするハードルがかなり低くなっています。

良いアイデアがあれば、直ぐにビジネスに結びつけて、売上を上げる事も出来るようになりました。

インターネットは売上を上げるツールとしてはとても便利なものです。

しかし、商売を始めると自分が思ったようにいかない事もあります。
取引先が契約を守らない事もよくあることです。

予想もしていなかった事が起こって、思わぬ損害を受けることもあります。

経済的損害だけでなく、精神的損害も起こりうる事です。

個人事業主には労働法が適用されないので、商取引において違反行為があっても、労働法を根拠にして、自分の正当性を主張する事はできません。

雇用されて働いていた時には当然守られていたことも、個人事業では必ずしも守られるとは限らないのが大きな問題です。

労働法は罰則規定がたくさんあるので、雇用する事業主の側が積極的に違反しないようにしないと、会社側が困るので当然のように労働者は守られてきました。

では、個人事業主はどのような法律によって守られるのでしょうか?

商取引は民間同士の関わりなので、民法が基本的なルールとなります。

民法に違反するような行為があった場合、個人事業主でも自分の権利を主張する事が出来ます。

民法は私法の一般法で、商取引も含めた民間人同士の基本的な関わりを定めたルールです。

そして、それとは別に特別法というのがあって、個別の事件に当てはまる法律があればそれを根拠法とする事も出来ます。

特別法には下請法などの下請け業者を保護する法律があります。
これは下請取引の公正化・下請事業者の利益保護を定めた法律です。

もし、取引先から不当な扱いを受けて損害を被った場合、この法律を根拠にして、自らの権利を主張する事が出来ます。

また、取引先の責任で実際になんらかの損害を被ってしまった場合、損害賠償請求が出来る可能性があります。

金銭的な損害、身体的な損害など、現実に相手方の不当な行為によってなんらかの損害が生じている場合などです。

その際には証拠の提出や損害の程度などを自ら立証する必要がありますが、明らかな不法行為であれば、なんらかの物的証拠はあるはずです。

もし、被害の程度が低くても、早い段階で対処出来れば今後、商売を続けていく上で、自分の身を守る方法を身につけることが出来ます。

不当な行為によって損害があれば、なんらかの違法行為がある場合が多いので、その違法行為をしっかり立証する習慣を身につけておくことも重要です。

違法行為の立証の仕方がわかれば、今後同じような状況になったときも冷静に対応する事が出来ます。

法律はたくさんありますが、それら全てを覚える事は出来ません。
大切な事は自分の身を守るために、受けた損害をしっかり立証して、しっかり損害賠償請求するという手続を踏むことです。

つまり法律の利用の仕方を覚える事が大切です。
自分が損害を受けて何もする手立てがないと、今後様々な活動をする上で、支障が出てしまいます。

個人事業主は労働者における雇い主のように積極的に守ってくれる存在がいません。
自分の代わりに自分を守ってくれる存在がいないので、まずは自分で声を上げて、自分を守る必要があります。

その際は、法律というルールに則って自らの権利を主張する事が大事です。

権利には財産権などの経済的利益に関する権利と、人格権などの名誉・氏名・プライバシーなどの人格的利益に関する権利があります。

それらの権利が侵害され、損害が発生している場合は、違法行為に該当する可能性があるので、なんらかの対処をすることが出来ます。

権利を主張する場合、民事訴訟の手続を取るのが一般的です。
裁判所を通して、自分の主張をする事がルールに則ったやり方です。

小さな嫌がらせなどが発生している場合は相手方に警告を発する意味で内容証明郵便を送る事も正当なやり方と言えます。

軽犯罪法には小さな行為でも違法と見なされる行為の記載があります。
これらは法律上保護される権利であるといえます。

軽犯罪法に違反しているだけでは、実際に損害が発生していない場合がありますが、内容証明郵便を送る事で、これらの違法行為を止めさせる事が出来る可能性があります。

その意味でも最低限の法律知識は必要不可欠となります。
もし、自分一人で訴訟手続をしたり、内容証明郵便を送るのが難しい場合は、法律に詳しい専門家の力を借りましょう。

専門家の力を借りる事も、声を上げる手段の1つです。
法律に詳しい人であれば、なんらかの対処方を教えてあげられます。

そして、これ以上損害が大きくならないように早めに対処する事が今後の経済活動を含めた生活を送る上で必要不可欠な事です。