補助金を制する者は中小企業経営を制する
補助金は、毎年、国会で予算を決め、公募という形で希望者を募ります。
国が毎年、補助金の予算を決めるのは、中小企業を支援することが大きな目的にあります。
資金力の乏しい中小企業は広告を出して宣伝したり、最新の機械を購入する場合、大企業に比べてかなり不利になります。
お金のある大企業はテレビのCMなどを使って宣伝出来ますが、中小企業はそういう訳にはいきません。
また大企業は、最新の機械を沢山購入して大きく事業展開する事が出来ますが、中小企業は最新の機械を沢山購入する事が出来ません。
資金力の差で、このようにビジネスをする上で不利な状況にあるのが中小企業です。
そこで、国は資金力の少ない中小企業でも、斬新なアイディアや実効性の高い営業方法など持っている潜在能力のある中小企業を特別に支援する必要があります。
補助金はそのような中小企業のための制度です。
そのような中小企業が上手に補助金を利用すれば、大企業にも負けない、効率的な経営が可能となります。
事業計画書などを提出して一定の要件を満たせば、返済不要の資金を国から補助されて、それを利用してビジネスをする事が出来ます。
なので、アイディアが豊富な事業者であれば積極的に補助金に応募して、事業に役立てるとよいと思います。
補助金には様々な種類があります。
最も人気のある補助金は「ものづくり補助金」です。
その予算規模が大きいこと・採択率が高いこと・中小企業ならばほぼすべての業種で利用できることが理由です。
ものづくり補助金は試作品や新商品の開発、新サービスの導入、設備投資などを行う中小企業を対象に、かかった機械装置費、システム導入費の3分の2までを補助する制度です。
また、補助上限額が1000万円とかなり高額です。
例えば、1500万円の機械設備を購入した場合、その3分の2の1000万円の補助金を受けることが出来ます。
このように補助金を上手に利用すれば、中小企業も競争力のある事業運営が可能となるわけです。
しかし、その一方で事業計画書もかなり内容のあるものでなければなりません。
事業性の見通し、販売計画、利益計画などが具体的で根拠のあるものでなければなりません。
実現性の乏しい事業計画ではいけないので、しっかりとした計画を考えて補助金の申請をしなければなりません。
よく「ものづくり補助金がなければ地方はもたない」と言われます。
機械メーカーからも「ものづくり補助金」がないと、地方の設備投資が消えてしまうとの声があり、それがこの補助金の人気の1つと言われています。
事業計画書も中身とボリュームが必要です。
だいたい、1ページ500字から600字程度で10ページから15ページほどが必要です。
フォントサイズは11ポイントくらいで行間もしっかり空けて見やすくします。
文章ばかりだとイメージがわきずらいのでグラフや表などをいれてわかりやすくします。
ものづくり補助金の事業計画書作成は難易度の高い業務なので、この補助金の事業計画書が作成出来れば、ほかのほとんどの補助金の申請が出来るようになると思います。
小規模事業者持続化補助金とは?
一方、補助金の上限額は低いですが、小規模事業者が効率的に利用すれば、かなり経営に有利になると思われるのが「小規模事業者持続化補助金」です。
上限額は50万円ですが、補助対象範囲が広いので人気のある補助金です。
補助対象費用は3分の2です。
公募時期は毎年3,4月頃に行われます。
対象範囲が広いので、例えば、チラシやパンフレットを作成して、ポスティングする費用を補助してもらう、ということも出来ます。
毎月の広告費を6万円に設定すれば、年間72万円になりますが、そのうちの、48万円は補助金でまかなうことが出来ます。
小規模事業者や個人事業主にとっては、この金額を補助してもらえるのはかなりメリットがあると言えます。
営業や広告などで知名度を上げて、販路開拓することは小規模事業者にとっては大変重要なので、この補助金に毎年応募して、毎月の広告費として計上している会社は多いです。
継続して補助金を広告費として利用すれば、経営を軌道にのせるのに役立つと言えるでしょう。
ほとんど全ての事業者が対象となり、補助対象経費も広範囲に設定されているので、上手に利用すれば、経営を有利にする事ができます。
小規模事業者持続化補助金に必要な事業計画書の分量はものづくり補助金の半分くらいでよいとされています。
申請もしやすく補助金を受けやすいので毎年応募して確実に補助金を受ける事も可能でしょう。
補助金には常連組というのが存在します。
最初に補助金の申請をする時は大変かもしれません。
事業計画書の書き方や手続の仕方がわからないので、面倒に感じる事業者も多いと思います。
しかし、一度、申請をして、交付を受ければ、後は商工会議所の人がフォローしてくれます。
また、補助金は毎年決まった時期に公募しているので、次の申請からは慣れると楽になると思います。
毎年、様々な補助金に応募して、補助金を受けている人はコツを知っています。
どのような事業計画書が審査に通りやすいのかなど、実際に自分が経験した事を活かして申請をしています。
なので、最初は少し面倒に感じても、次からは申請がしやすくなります。
毎年決まった額を補助してもらえれば、事業の経営にかなり有利になるので、補助金を上手に利用できれば、経営者にとって強い味方になるといえるでしょう。